第二次世界大戦中、ナチス・ドイツが核爆弾とそれを運搬するための「空飛ぶ円盤」を開発していたという説がある。この驚くべき主張は、ドイツのテレビ局ZDFが制作したドキュメンタリー『ヒトラーの原爆を追え』によって再び注目を集めた。

 この番組によれば、ナチスは東部ドイツのテューリンゲン州で核実験を行い、さらにはロシアの捕虜を使って兵器のテストをしていた可能性があるという。さらに、この極秘プロジェクトには戦後アメリカに渡ったナチスの科学者たちも関与していたとされる。

核開発を主導したSSの影

 番組では、ナチスの核開発計画を率いたとされるSS(親衛隊)将軍ハンス・カムラーに焦点を当てている。彼は約17万5000人の収容所囚人を動員し、兵器製造やナチスの地下施設建設に従事させたとされる人物だ。

 ヒトラーは彼を核分裂研究プロジェクトの責任者に任命し、その研究拠点はテューリンゲン州にあったとされる。ここでは核兵器だけでなく、宇宙開発関連の研究も進められていたという。

さらに、ロシア軍の情報機関の報告によれば、ナチスは1.5メートルの核爆弾を所有し、テューリンゲンで核実験を行ったという。しかし、この情報の信憑性については意見が分かれている。

 アメリカ軍の機密文書によれば、当時のアメリカ大統領ドワイト・アイゼンハワーは偵察機を飛ばしてこの地域を調査したものの、確証となる証拠は発見できなかったという。特に、ナチスが核爆弾を製造するために必要なウランの存在は確認されなかった。

ナチスが開発していた“核爆弾と空飛ぶ円盤”の謎 「失われた技術」の真実とは?
(画像=Image by Harsh Ghanshyam from Pixabay、『TOCANA』より 引用)