なにしろ、あるウクライナの軍事評論家は、北朝鮮兵の小型兵器熟練度が非常に高く彼らの攻撃や躍動的であり、北朝鮮兵士らに比べれば、ワグネルの傭兵は子どもだと言っていたそうだ。
日本にとってはこの戦争は迷惑のきわみ。さっさと終わったら参議院選挙の見通しも明るくなるだろう。
ウクライナの安全保障をウクライナ側からだけ見ても話はつかない。ロシアから見た場合でも安全になると感じさせねばならない。
そもそも論から言えば、フィンランド、バルト三国、ポーランド、バルカン半島などは中立地帯であるべきだったと思うが、彼らがNATOに入ってしまったあとロシアが安心できる体制は構築が難しい。
しかし、そのあたりの地域のあり方も含めてある程度の再検討もいるのでないか。たとえば、バルト三国について、ラトビアがロシア系住民への弾圧を強化しているとか、リトアニアがこんどの戦争を通じて、ロシアの飛び地であるカリーニングラードへの圧迫を強化したことは、危険な火遊びだと私には見える。
アジアにとっては、台湾や朝鮮半島に影響するなんてどっちに影響するか分からない。台湾の人も米国、日本などがいくら援助してくれても、大陸の人間と戦って英雄だと言われたいなどとて思っていない。現実に台湾でも韓国でも戦争が始まってから議会は与野党逆転だ。
また、ヨーロッパがロシアと敵対を続けるつもりだと、中国をヨーロッパやロシアとも手を組んで封じ込めようという戦略が難しくなる。そうなると、中国への厳しい封じ込めでなく融和路線に傾くことの必然性が出てくるかもしれない。