相対的には安いと思える範疇
前述のとおり、今回は商品の値上げと同時に日替わりクーポンのキャンペーンや500円の「ハンバーガー」セットの復活なども発表したが、全体としてみてマクドナルドの価格戦略はどう分析できるか。
「値上げは公式の発表にあるとおり『昨今のエネルギーコスト、物流費、人件費の上昇を受けてのもの』ということなので、仕方ないと思います。競合するモスバーガーも3月に入って値上げをしています。クーポンの配信やセットの復活は、単なる値上げだけだと印象が悪いので、少しでもイメージを和らげるためのバーター企画でしょう。かつての『ハンバーガー』が59円や100円で買えた時代を知っている人は、随分高くなったというイメージを持つでしょうが、それでも相対的には安いと思える範疇に落ち着いていると思います。
ただし、最近の値上げにより24年12月期決算では売上高・営業利益ともに過去最高となっており、お客さんに対して値上げの説得力が薄れてしまうかもしれません。あわせて賃金や初任給の引き上げも発表されていますので、人手不足といわれるなか、値上げによって得られる利益は人材確保や待遇改善に有効利用されていくのではないでしょうか」(江間氏)