私が訪れたネバダ州には、東京の木造家屋を実物大で再現したモデルがあった。現場で実際に目にしたが、よく作られていた。実験では、それを焼き、各種データを収集した。火叩き棒やバケツの水では消火は困難だった。

しかし、当時の日本では「逃げるな」と軍部に命じられ、多くの民間人が犠牲となった。そして、焼夷弾を効率的に使用し、東京を焼き尽くしたのがルメイ将軍である。彼は後に「日米関係に貢献した」との理由で日本政府から最高位の勲章を授与されたが、昭和天皇は手渡しをしなかった。現在、この勲章の剥奪を求める議論もある。

そのルメイ将軍は、キューバ危機当時、米軍の指導者の一人だった。彼はJFKの慎重な姿勢を批判し、「これで核戦争に突入する。先制攻撃しかない」と主張した。

しかし、冷静なJFKは彼の進言を退けた。そして、フルシチョフとの交渉を通じて核戦争を回避した。この決断こそが、米国の文民統制の一例であり、人類破滅を防ぐ要因となった可能性が高い。

私は以前、ハーバード大学のアリソン教授と「ゲーム理論」について対談した。その際、JFKの決断がいかに重要だったかを改めて認識した。

明日公開される文書が、世界的な議論のきっかけとなることを期待したい。