・父親の存在:生物学上の父親が一貫して同居していたか、不在だったかを報告
・母親の影響:母親の温かさや関与の程度を測定し、父親の影響が母親の影響とは独立したものであるかを分析
・恋愛に関する信念:男性の一般的な恋愛関係への投資や、女性が求めるコミットメントについての信念を測定
・恋愛パートナーへの投資意欲:感情的なコミットメント、パートナーと過ごす時間、恋愛関係の優先度についての意識を評価
このように、幼少期に母親から受けた愛情の程度を調整した上で、父親の影響が将来の恋愛観に与える影響を明らかにしました。
父親が冷たいと、恋愛に消極的になる?
調査の結果から、次のようなことが明らかになりました。
・幼少期に父親からの愛情や関与が少なかった男性は、将来的に「恋愛関係において男性は最低限の投資しかしないのが普通である」と考えやすくなっていた
・その結果、彼ら自身も恋愛関係に消極的になり、恋愛パートナーへの投資意欲が低くなる傾向があった
・これらの結果は父親が物理的に家庭にいたかどうか(父親の不在)よりも、父親との関係の質(父親の冷たさ)の方により強く影響を受けていた
・母親の温かさや関与は、息子の恋愛への投資意欲には影響を与えていたが、「男性の恋愛投資に対する一般的な信念」には影響を与えていなかった
この結果は、父親の影響が世代を超えて、子供への恋愛観に影響を与えている可能性を示しています。
つまり「父親が冷たい家庭で育った男性は、自分自身も恋愛関係において投資をしなくなる」というサイクルが続いてしまう可能性があるのです。

この研究は、幼少期の家庭環境が成人後の恋愛観にどのような影響を与えるのかを理解する上で重要な知見を提供します。
特に、父親の関与の「質」が重要であることが強調された点は興味深いポイントです。
今後の研究では、
・父親以外の男性ロールモデル(祖父や兄弟、教師など)がこの影響を補うことができるのか?