大人になってから、恋愛に対して積極的になれないという方。

それはもしかしたら、幼少期の父親との関係に原因があるのかもしれません。

米ペンシルベニア州立大学(PSU)の研究チームは最近、幼少期に父親の愛情が不足していると、子供は成人後に恋愛関係に対して消極的になりやすいとの相関関係を発見しました。

研究の詳細は2025年2月11日付で学術誌『Evolutionary Psychological Science』に掲載されています。

目次

  • 父親との関係は「恋愛観」を左右する?
  • 父親が冷たいと、恋愛に消極的になる?

父親との関係は「恋愛観」を左右する?

「父親の存在は子どもの成長に大きな影響を与える」とはよく言われますが、それが具体的にどのような影響を持つのかは、科学的にも長年議論されてきました。

特にこれまでの研究では、父親と娘の関係を対象に、父親が不在の家庭で育った娘は、男性パートナーに対する信頼感が低くなり、恋愛や結婚に対する期待も低くなる傾向があることが示されています。

しかし、息子についてはどうでしょうか?

「父親が冷たい家庭で育った男性は、将来的に恋愛に対してどう感じるのか?」

この疑問には、これまで十分な研究が行われていませんでした。

今回の研究は、まさにこの点に焦点を当てたものです。

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Credit: canva

研究者たちは、次のような仮説を立てました。

「幼少期に父親の愛情や養育への関与が少ないと、成人後の息子は『男性は恋愛関係においてあまり投資しないものだ』と考えやすくなり、自分自身も恋愛に対して消極的になるのではないか?」

この仮説を検証するため、研究チームはアメリカ在住の18〜36歳の異性愛者の男性486人を対象にオンライン調査を実施しました。

調査では、以下の5つの要素について質問を行いました。

・父親の投資の質:参加者は16歳までの間に父親から受けた温かさ、支援、養育への関与の程度を評価