そしてこの腱画の本数は、遺伝子によって異なるのです。
腹筋のパック数と見え方には個人差がある

ライ氏ら研究チームの2018年の論文や、他の数々の研究によると、私たちの約60%が3本の腱画を持っており、腹筋は6つに分かれているように見えます。
(3本の腱画なので、正確には8つのパックに分かれていることになりますが、一番下の2つのパックは見えづらく除外してカウントされることが多いようです)
これはつまり、「大多数の人は努力することで腹筋が6つに分かれて見える」ということであり、これが「シックスパック = 割れた腹筋」という意味合いを作り出しました。
しかし、約20%の人は腱画の数が4本であり、8パックの腹筋を持っているように見えます。
加えて約15%の人は腱画が2本であり、4パックの腹筋を持っているように見えます。
もちろん一番下の腱画の位置も個人差があるため、腱画の数が同じでも、パック数の見え方は異なる場合があるでしょう。
例えば、腱画が2本でも、一番下のパックを含めて6パックに見えることもあるはずです。

また非常に稀ですが、腱画が1本しかない人も存在するようです。
この場合も、「2パックの腹筋」と呼びたいところですが、腱画の位置によっては4パックに見えるかもしれません。
ここで気になるのは、腹筋のパック数で筋力に違いは出てくるのか? という点です。
アメリカのハンティンドン・カレッジ(Huntingdon College)スポーツ科学体育学部に所属するミケーレ・オルソン氏によると、「腹筋のパック数は体幹の強さとは関係ない」とのこと。
腱画の数が他の人より多かったり少なかったりしても、それが強くて優れた腹筋の証拠だとは言えないのです。