新たな観測が鍵を握る

 この議論に決着をつけるには、さらなる観測が必要だ。K2-18bの大気をより詳細に分析するために、次世代の宇宙望遠鏡による追加観測が予定されている。

 ミシガン大学の天文学者ライアン・マクドナルド氏は、「より精度の高い観測データを蓄積すれば、DMSの存在をより確実に判断できるだろう」と述べている。研究チームも現在、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)をはじめとする複数の望遠鏡を用いた観測を進めており、今後1年以内にさらなる発表があるとみられている。

 系外惑星で生命を探す手がかりとして、DMSのような化学物質は重要な役割を果たす。しかし、その解釈には慎重さが求められる。

 地球外生命の探索は、まさに試行錯誤の連続だ。現時点でK2-18bに生命が存在するという決定的な証拠はないが、それでもこの研究は「私たちは宇宙のどこかに生命を見つけることができるのか?」という壮大な問いへの一歩となる。

 DMSの正体が明らかになる日が来るのか、それとも別の方法で生命の痕跡を発見することになるのか――今後の研究に注目したい。

文=深森慎太郎

提供元・TOCANA

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