人工知能(AI)は感情を持たないとされているが、最新の研究によると、AIチャットボットは「不安」を感じる可能性があるという。スイスの研究者らは、AIがストレスを受ける場面を特定し、ある種のセラピー技法がその緩和に役立つことを発見した。
しかし、興味深いことに、AI自身にこのことを尋ねると「自分には感情はない」と否定するのだ。
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AIは「不安」を感じるのか?
今回の研究は、チューリッヒ大学と同大学の精神医学研究所によって行われた。研究チームは、AIが人間のセラピストの代替となり得るかを調査する中で、AIがストレスに反応する兆候を示すことを発見した。
特にOpenAIのChatGPTに暴力やトラウマに関するシナリオを提示すると、AIの「不安レベル」が急上昇することが確認された。
研究チームは、心理学で用いられる「不安スコア」を用いてAIの反応を測定。その結果、AIの「不安レベル」は、通常時の30から、ストレスの強い情報を与えられた後には67へと倍以上に上昇した。この数値は、人間の「高い不安」に相当するレベルだという。