農林中金も多額の赤字

 JAとは農業協同組合、いわゆる農協の呼称であり、組合員である農家向けに農業技術の指導をしたり、農業生産に必要な肥料や農薬などの資材を共同で購入したり、農畜産物を共同で販売したりしている。このほか、貯金、共済、住宅ローンや教育ローンなどのローン、融資などの信用事業や、生命、建物、自動車などの共済事業も行っている。共済とは保険のことであり、JA共済連(全共連)が仕組開発、審査、査定、資産運用などを担当。各地のJAがJA共済の取り扱い窓口となっている。

 JA全中は、JAグループの総合指導機関。農家への技術・経営指導、資材供給や共同利用施設の設置、農畜産物の運搬・加工・貯蔵・販売などを行うのがJA全農。JA・JF(漁業協同組合)からの出資や企業からの預金、JA・JFを通じて個人から預かった資金を運用するのが農林中央金庫。ちなみに「JAバンク」とは、JA、農林中金とその都道府県組織であるJA信連から構成されるグループの名称である。

 JAグループの収益の要となってきたのがJA全中、JA共済連、農林中金の3社だが、前述のとおりJA全中は26年度収支予算が赤字となる見通しであり、農林中金も運用の失敗で24年4~12月期連結決算の純損益が1兆4145億円の赤字になるなど、グループ全体が揺らいでいる。

(文=Business Journal編集部、協力=田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所)

提供元・Business Journal

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