また、年齢や性別、BMI、運動習慣、喫煙状況などの影響を考慮し、それらを統計的に補正することで、アルコール摂取の純粋な影響を分析しました。
その結果は、お酒が好きな人にとって「ちょっと嬉しい」ものでした。
飲酒の習慣がコレステロール値を下げる!?
解析の結果、新たに飲酒を始めた人はHDL-C(善玉コレステロール)が増加し、LDL-C(悪玉コレステロール)が減少することが明らかになりました。
例えば、もともと飲酒習慣のなかった人が1日1.5~3杯の飲酒を始めた場合、HDL-Cが2.49 mg/dL上昇し、LDL-Cが4.40 mg/dL低下する傾向が見られました。
さらに、飲酒量が増えるとその変化がより顕著になることも確認されました。

一方で、飲酒をやめた人ではLDL-Cが増加し、HDL-Cが減少する傾向が確認されました。
例えば、もともと1日1.5~3杯の飲酒習慣がある人が、お酒をやめた場合、HDL-Cが3.35 mg/dL減少し、LDL-Cが3.71 mg/dL増加する傾向が見られました。
また、1日3杯以上の飲酒をやめた場合にはLDL-Cが約6.5 mg/dL上昇し、HDL-Cは約5.6 mg/dL低下することが確認されました。
つまりこの研究では、お酒を飲み始めるとコレステロール値が改善し、お酒をやめると血中コレステロール値が悪化するという結果になりました。
ちなみに、お酒の種類は様々ですが、どのアルコール飲料を飲んでも結果は同じでした。
ではなぜ、飲酒がコレステロール値を下げるのでしょうか。
なぜ飲酒がコレステロール値を下げるのか?大量の飲酒には注意すべき!

アルコールがどのようなメカニズムでコレステロール値を変化させるのかは依然として明確ではありません。