特に五大湖などの環境においては、こうした藻類の異常発生が水産業や観光業にも大きな影響を与えています。
加えて、金魚は在来のコイと交配して、新たなハイブリッドを生み出すのです。
「金魚×コイ」のハイブリッド種も誕生している
この問題を解明するため、カナダの研究チームは五大湖の一つ「オンタリオ湖」で野生化した金魚の行動を追跡しました。
研究者たちは2017年から2018年にかけて、19匹の成体の金魚を捕獲し、それぞれに小型の発信機を埋め込みました。
この発信機を用いて、金魚がどこへ移動するのかをリアルタイムで追跡したのです。
調査の結果、金魚は水温が約10℃になると産卵場所へ移動し、大量に繁殖することがわかりました。
これにより、金魚がどの時期にどの場所へ移動するのかが特定され、環境保護当局が効率的に駆除を行うための重要なデータが得られました。
さらにこの研究によって、金魚が在来のコイと交配し、新たなハイブリッド種を生み出していることも判明しました。
このハイブリッド種はより大型で、さらに環境への影響が大きいため、問題はさらに深刻化しています。

ですから、もし金魚が家で飼えなくなったとしたら、野生に放すのではなく、次のような方法を検討してください。
・友人や知人など、他の飼い主を探す
・学校や水族館へ寄付する
・購入したペットショップに相談して、引き取ってもらえるようならお願いする
・金魚の里親探しができるオンラインコミュニティを活用する
さらに野放しにしてはいけないのは金魚だけでなく、金魚を飼っていた水槽内の水草もです。
外来種の水草が野生に放たれると、金魚と同じように異常繁殖して、在来の生態系に悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、不要になった水草を処分する際は、密閉した袋に入れて可燃ごみとして捨てるか、適切な処理方法を確認してください。