このプロセスがなければ、熱帯の海域では栄養が不足し、多くの生物が生存しにくくなる可能性があると研究者は指摘しています。

その一方で、研究者らは19世紀以降に捕鯨産業が盛んになったことで、海に供給される栄養素が大幅に減少した可能性があると話します。
「19世紀以前には、クジラを介した栄養供給は現在の約3倍あっただろう」とチームは見積もっています。
それゆえ、クジラの個体数が回復できれば、海洋の栄養循環が改善し、生態系の健全性が向上する可能性があります。
クジラは単なる巨大な動物ではなく、海洋生態系を支える重要な役割を果たしています。
彼らの尿や排泄物が熱帯海域の栄養供給に貢献し、多くの生物の生存を支えていることが今回の研究で明らかになりました。
これはまるでクジラが「海の農家」として栄養を運び、海を豊かにしているようなものなのです。
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参考文献
Discovery: The Great Whale Pee Funnel
https://www.uvm.edu/uvmnews/news/discovery-great-whale-pee-funnel
Whale pee moves vital nutrients thousands of miles
https://www.popsci.com/environment/whale-pee-nutrients/
元論文
Migrating baleen whales transport high-latitude nutrients to tropical and subtropical ecosystems
https://doi.org/10.1038/s41467-025-56123-2
ライター
千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部