その中から特に状態の良い56個のサンプルについて炭素年代測定を行い、最も古いものは約1万1000年前にさかのぼることが判明しました。

この時期にはすでに人類が野生のアボカドを食し、その種子を管理し始めたことが伺えます。

さらに、これらの化石を詳細に調べた結果、アボカドの果皮が時代とともに厚くなり、種子のサイズも大きくなっていることがわかりました。

これは人間がより大きなアボカドを選んで栽培していた可能性を示しています。

そしてこれらの形態的変化のデータに基づき、アボカドの栽培化に成功したのは約7265〜7565年前の間であることが特定されたのです。

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遺跡での発掘作業の様子/ Credit: UCSB – Avocado cultivation’s ancient origins hold lessons for a changing climate(2025)

チームが驚いたのは、この年代がトウモロコシの栽培化よりも数千年早かったことでした。

研究主任のアンバー・ヴァンデルワーカー(Amber VanDerwarker)氏は「この発見はメソアメリカ農業に関する私たちの理解を根本から覆すものである」と話します。

「これまで、メソアメリカの農業はトウモロコシの到来によって狩猟採集民が農民へと変化したと考えられてきました。

しかし私たちの研究結果は、古代ホンジュラスの人々がすでに農民であり、トウモロコシが到達する以前からアボカドの栽培に完全に従事していたことを示しているのです」

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年代とともにアボカドが大きくなっている/ Credit: UCSB – Avocado cultivation’s ancient origins hold lessons for a changing climate(2025)

また本研究の成果は、アボカド栽培の過去だけではなく、未来にも重要な示唆を与えると同氏は話しています。

というのも現在、世界のアボカド産業の約90%は「ハス(Hass)」という単一品種に依存しており、遺伝的多様性が乏しいため、病害や気候変動に対する耐性が弱いことが問題視されているのです。