それよりも仕事でお客さんに喜んでもらえる結果が出せるか?家族間に愛情があるか?体力や健康を維持できるか?こういった要素の方が圧倒的に今の自分の幸福度を決めてしまうと感じるのだ。
たとえ資産運用などでお金が増えても、仕事でお客さんに喜んでもらえなければ「なんとかして満足してもらいたい」という脳内願望の占有率が高くなる。
家計のお金が増えていても、子供が学校で友達付き合いがうまくいかないという話を聞くと、「友達とうまくいってほしい。自分は何か子どもたちの力になれることはないか?」という気持ちが圧倒的になる。
体力や健康を害したら、「お金が減ってもいいかとにかく今すぐ健康になりたい」ということしか考えられなくなる。
筆者は、お金で不幸をある程度軽減できることを否定しない。実際、貧しかった頃に感じいた不幸を追い払う事ができた。
だが、幸福は非常に多面的で複合的パラメータで算出される値であるため、お金で買うことはできないのは明らかだ。しかし、「自分の人生が不幸なのはお金がないなら。お金さえあれば確実に幸福になる」とそればかり考えてしまうと、どうしても努力の方向性がズレてしまうだろう。
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常識の恐ろしいところは一度そうだと信じると、もう疑うことがなくなるということだ。歴史認識や科学など、かつて間違ってアップデートされた情報もあるにもかかわらず、未だに古い常識を信じて改善された常識を信じない人も少なくない。時には自分の常識を疑うことも重要だろう。
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