黒坂岳央です。

仰々しいタイトルをつけてしまったが、「貧乏になる」という部分を「後退する」や「チャンスを失う」に変えても通じる「間違った常識」が世の中にはある。

自分自身が20代までずっと貧しい生活を送っていた経験も踏まえ、筆者の独断と偏見で「これは不利になるのでは?」と感じる常識を取り上げたい。

yamasan/iStock

確実性と安定性しか考えない

20代前半の頃、筆者は5年間ほど派遣会社で働いていた。今考えるとかなりの薄給で、一緒に働いていた仲間も同じような収入だった。そして彼らの特徴は「確実性、安定性ばかり考える」ということである。

「世の中、結局学歴がすべて。学歴があれば一生安泰」 「この難関資格が取れれば食いっぱぐれない」 「とにかくたくさん貯金をしよう」

飲み会などにいって先輩から言われるセリフはほとんど、こうした「いかに人生を安定させられるか?」という持論だった。

会話の中でちょっとでもリスクテイクの話がでると「でも、失敗したらどうするの!?」みたいに厳しく反論された。たとえ1円でもマイナスが出ることは絶対に許されない!という感覚を持っていると感じた。

だが、上京して東証プライム上場企業でハイキャリアで働くワーカーや、独立して経営者、投資家としてものすごく稼ぐ人たちは総じて「チャンスはリスクの中にしかない」ということで口を揃える。こうした人たちから「安定するには~」という話を一度も聞いたことがない。

自分自身、人生が上向いたのは独学して大学進学、上京して就活を経て転職を繰り返してキャリアアップ、そして脱サラして独立などそこにはすべてリスクテイクがあったと記憶している。安定そのものは「リスクテイクの結果」でしかないのだ。

もちろん、やみくもにギャンブルしろと言っているわけではなく、必要なのは「制御可能なリスク管理」であることは言うまでもない。

稼ぐより節約を優先