余りに不自然不合理な柴崎氏の訂正の経過は、柴崎氏が得ていた裏金が政治家個人宛であったのに、それを隠そうとして、一連の虚偽の訂正を行ったとしか考えられない。

上脇氏の告発状では、政治家個人宛の違法寄附にも該当するとされている。

確かに、「政治活動に関する寄附」であるとすれば、政治家である柴崎都議個人に宛てた寄附であることは明らかだ。しかし、果たして「中抜き」で得ていた裏金が、本当に政治資金に関する寄附であったのかどうかも疑わしい。「中抜き」で入ってきた裏金をすべて個人の懐に入れていたのであれば、むしろ、「政治家個人宛寄附」ですらなく、単なるパーティー券販売の謝礼であった可能性もある。

この場合は、「政治家個人宛の違法寄附」の問題は生じないが、柴崎氏の個人所得ということになり、所得税の申告をして納税する義務がある。それを、練馬区11支部への寄附として受け取って、経常経費として支出したように同支部の収支報告書を訂正したのは、収支報告書の虚偽記入の政治資金規正法違反に当たる。

元参議院議員の丸川珠代氏が安倍派から受け取った裏金の問題と同様に、所得税の課税逃れのための悪質な政治資金収支報告書虚偽記入罪の事案として、処罰を免れる余地はない。

上脇氏は、「都議会自由民主党」が寄附した相手方は“柴崎幹男個人”であり、131万円(2019年)及び110万円(2022年)はそれぞれ全額またはその一部を、同人の所得として確定申告する必要があるのではないかとして、刑事告発と併せて、管轄の練馬西税務署に情報提供も行っている。

このような柴崎氏の収支報告書の訂正と符合する政治団体都議会自民党の収支報告書の訂正が行われているのであるから、他の都議会自民党の都議も同様の方法で訂正を行った可能性が高い。

実際には、裏金が個人の懐に入っていたのに、それを政党支部宛の寄附であったように収支報告書の虚偽の訂正をして、所得税の修正申告も行わないで済まそうとしているとすれば、そのような「都議による悪質な所得税逃れ」は、東京都民にとって、到底許されるものではない。