今回の報告を見る限り、緑色の光がちょうど水分子にとって「適切な波長」であり、蒸発を最大限に促進しているのだと考えられます。
では光に誘起されて蒸発が進むという光分子効果が発見されたことで、世界はどのように変わっていくのでしょうか?
海水の淡水化や気候変動の予測に期待

現状、光分子効果はヒドロゲル上でしか観察されていませんが、研究者たちは海面や雲の中など他の条件下でも同様に発生する可能性を指摘しています。
海面からの蒸発を考えたとき、これまでも理論値と合わないことが多くあったためです。
もっと身近な例で言えば、晴れの日と曇ってる日で、洗濯物の乾き方が違うのも光分子効果のせいかもしれません。
光分子効果を使えば、熱エネルギーを使わなくても水の蒸発を早めることができます。
このため、蒸留を用いた浄水や海水の淡水化において、安価で大幅に蒸発の効率を上げられることが期待されています。
また、光分子効果を踏まえた蒸発プロセスを数式化できれば気候変動の予測がより正確になる可能性もあります。
光分子効果はまだ発見されたばかりで、仮説の域を出ない部分も少なくありません。
しかし、もし実用化されれば「水」という資源の幅が大きく広がるでしょう。
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参考文献
In a surprising finding, light can make water evaporate without heat
https://news.mit.edu/2023/surprising-finding-light-makes-water-evaporate-without-heat-1031
元論文
Plausible photomolecular effect leading to water evaporation exceeding the thermal limit
https://www.pnas.org/doi/abs/10.1073/pnas.2312751120