先日、TOCANAでも紹介した、ある青年が暴露したカルト的超一夫多妻家族の実態だが、今度は同じコミュニティに所属していた女性が、衝撃の体験談を告白している。

 アメリカのアンジェラ・ジョンソンさん(38歳)は、かつて1500人規模のポリガミー(多妻制)を実践する宗教団体に所属していた。しかし、そこでの厳格な支配と抑圧から逃れ、新たな人生を歩むことを決意する。彼女が生まれ育ったのは、末日聖徒イエス・キリスト教会(FLDS)という団体。これは主流派のモルモン教から分派し、厳格な戒律と多妻制の強制を特徴とする宗教であった。

 彼女が体験したのは、外の世界と完全に隔絶された環境だった。テレビもインターネットもなく、新聞も読めない。外部の音楽すら許されず、教団の作ったものしか聞くことができなかった。 さらに、女性は幼い頃から「教団の命令には絶対に従わなければならない」と教育され、わずか16歳で見知らぬ男性との結婚を強制されることも珍しくなかった。

 だが、アンジェラさんは「本当にこれが唯一の生き方なのか?」という疑問を抱き、勇気を振り絞ってこの閉ざされた世界から脱出した。その過程には数々の困難があったが、彼女は今、新しい人生を築き、過去を乗り越えたことを誇りに思っている。

教団の実態——「完全な服従」が求められる生活

 アンジェラさんは、幼少期から教団の厳格な戒律の中で育った。FLDSでは男性が絶対的な権力を持ち、女性は従属的な立場に置かれる。

「私の父は一夫多妻ではありませんでしたが、親族の中には24人の妻を持つ人もいました。多妻制はこの教団ではごく普通のことでした」

 FLDSでは、女性は教育を受ける機会も限られており、ほとんどの少女は10年生(日本の高校1年生相当)で学校を辞めさせられ、その後すぐに結婚を強いられた。結婚相手は教団が決めるため、恋愛や自由な選択肢は一切なかった。

「私たちは『選ばれし者』であり、外の世界の人々よりも優れていると教え込まれました。でも、それは単なる洗脳だったのです」