当初から事業のばら売りを想定か
前述のとおり西友はウォルマートからの自立を契機に上場を目指しているとも伝えられていたが、流通アナリストの中井彰人氏はいう。
「国内最大手で全国展開するイオンですらGMS事業は赤字になる期もあり、イオングループ内のイオンモールや金融、不動産をはじめとする他の事業とセットで存続している状況です。よってGMS事業単独で成長戦略を描くことは非常に困難であり、西友・KKRとしては当初から単独での上場ではなく事業のばら売りを想定していたと考えられます。実際に北海道と九州の店舗事業は他社に売却し、不採算店舗の整理も行って大幅に縮小した上で、最後に本州に残った事業を他社に売却しようとしています。
現在のスーパーマーケットのプレイヤーをみると、全国展開できているのは事実上、イオンしかなく、例えばオーケーやヤオコーは関東圏に、イトーヨーカドーは東日本に集中しており、各地域に強い地場のスーパーが存在するという状況です。なので西友を買収してメリットがある同業としてはイオンしか存在しないというのが実情です」
では、イオン、PPIH、そして応札企業として名前があがっているディスカウントストアのトライアルホールディングスのどこが買収すれば、より高い相乗効果が生まれると考えられるのか。
「まずイオンについていえば、グループ内にさまざまなブランドのスーパー、ドラッグストア、リカーショップまであらゆる業態の店舗を保有しており、一定の集客が見込める立地であれば、とにかく多くの店舗を取得して、あとはそれぞれの立地にあった業態店をいかようにも展開可能なので、西友を取得しにいくのは当然です。また、PPIHは18年にGMSのユニーを買収し、融合店や新業態店を増やすことでユニーの業績は大きく改善・伸長しました。同じ手法で、例えば西友の店舗の1Fを食品売り場、客が少なかった2階より上層階はドン・キホーテといったかたちに改装することで、店舗売上を伸ばすことができるでしょう。そしてトライアルは西友よりさらに踏み込んだ低価格路線であり、取得した店舗をトライアルに衣替えするという方法もあるでしょう。
残存している西友の店舗は、不採算店舗の整理の末に生き残った立地が良い“利益が出やすい店舗”ばかりであり、さらに首都圏の駅近店舗も多く、買収する側はその優良な店舗網を獲得できるわけですから、メリットは大きいです。
たとえばイオンにしても首都圏の駅近店舗というのは多くはなく、西友の店舗網を獲得したいという思いは強いでしょうから、それなりに高い買収金額を提示すると考えられ、西友側としても店舗が『西友』というブランド名のまま残るのかどうかは別にすれば、単独での生き残りを模索するよりは好調な大手に買収されるというのはメリットが大きいといえます」(中井氏)
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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