イオンとドンキが買収を競った理由
当サイトは過去に1月16日付記事『「西友」争奪戦、イオンとドンキが買収を競う理由…確実に利益出る店舗ばかりか』を掲載していたが、以下に再掲載する。
――以下、再掲載――
GMS(総合スーパー)・西友の争奪戦が熱を帯び始めている。西友の株式の85%を保有する米投資ファンド・KKRが株式売却手続きを進めており、GMSのイオン、ディスカウントストアのドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)などが株式取得に名乗りをあげているとみられる。かつて親会社だった米ウォルマートとの資本関係が薄れ、西友は上場による単独経営を目指しているとも伝えられていたが、なぜ他社による買収という道を選んだのか。また、西友の長期的な生き残り・成長という観点でみると、イオンかPPIH、もしくは他の小売企業や投資ファンドなど、どこが買収すればより大きな相乗効果が生まれると考えられるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
1963年(昭和38年)創業の西友はコンビニエンスストア「ファミリーマート」や日用品・雑貨店「無印良品」を生んだことでも知られている(ともに現在は他社が運営)。1990年代に入ると経営危機が叫ばれるようになり、2002年には米国ウォルマートの傘下に入り、08年にはウォルマートの完全子会社となり上場を廃止。21年には、「楽天西友ネットスーパー」で協業していた楽天グループが西友の株式の20%を取得し関係を強化し、同年にはウォルマートは西友株の85%をKKRに売却。その後、23年には楽天は保有する西友株をKKRに売却。同年にはウォルマートの基幹システムを西友独自のものに入れ替える大規模なシステム更新作業を行い、ウォルマートとの関係解消を進めてきた。
24年には北海道の店舗をイオン北海道に、九州の店舗をイズミに売却して事業を本州に集中させる方針に転換。現在の全国の店舗数は約240店舗であり、「EDLP(エブリデー・ロープライス)」を掲げ、日用品から食品まで幅広いラインナップを取りそろえるPB(プライベートブランド)「みなさまのお墨付き」に代表される低価格がウリ。23年12月期決算は売上高が6648億円(前期比5.8%減)、営業利益は260億円(同24.8%増)、経常利益は270億円(同29.6%増)となっており、近年は黒字が定着している。