原材料価格・エネルギーコストや人件費の高騰を受けて飲食店で値上がりが続くなか、東京・新宿のケバブ店がわずか350円でボリューム感あふれるケバブを提供しており、お腹いっぱいになれるとして一部で話題を呼んでいる。新宿3丁目駅からすぐの場所で営業しているスタンド式販売店の「EFE KEBAB Mike」という店舗だが、SNS上では

<ここ本当にバグってる。おいしいし>

<めちゃくちゃボリュームあるし美味い>

<キャベツだけで300円超えてそう>

などと高評価の声が多数みられる。そのクオリティーや量などを勘案して、価格妥当性をどう評価できるのか。また、キッチンカーやスタンド式のフード販売店というのは、店舗型の飲食店と比較して経営的にはどのような特徴や難しさ、メリットなどがあるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

 オフィス街や繁華街、商業施設内でキッチンカーやスタンド式の飲食店を目にすることは珍しくない。扱う商品は弁当類やコーヒー、パン類、焼き鳥などさまざまだが、ケバブもお馴染みの商材の一つといえる。ちなみにケバブは代表的なトルコ料理の一種で、香辛料で味付けした肉・魚・野菜などを焼いたもので、スパイスの効いたテイストが特徴。ケバブ店でよくみられる大きなブロック状の肉はドネルケバブと呼ばれるタイプで、回転させながら表面を焼き、一枚ずつそぎ落としたものを提供する。このほか、一口大の肉を複数個、串に刺して焼き鳥状にしたシシケバブも主流だ。キッチンカーやスタンド式の店では肉と野菜をピタパンなどに挟んだ状態で提供するスタイルがメジャーだが、こちらはケバブサンドと呼ばれる料理だ。

原価率は50%程度?

 そんなケバブの話題店となっているのが「EFE KEBAB Mike」だ。新宿3丁目駅のE6、E7出口を出て徒歩数分、百貨店「新宿高島屋」からほど近い場所で営業しており、たっぷりの肉とキャベツを薄いパンで挟んだ「ケバブサンド」(350円)、「ケバブラップ」(500円/大盛り700円)、「ケバブ丼」(同)、「ケバブおつまみ」(同)など、リーズナブルな価格のメニューが並んでいる。営業時間は特に決まっていないようで、会計は現金のみとなっているようだ。

 その味や価格妥当性はどう評価できるのか。飲食店経営を手掛ける飲食プロデューサーで東京未来倶楽部(株)代表の江間正和氏はいう。

「定番品の『ケバブサンド』を実食してみました。目の前で材料を合わせて作ってくれるので、イメージは『サブウェイ』の簡略版といった感じです。店員に店内に吊るされた肉の塊の写真を撮ってもいいかと聞いたら、笑って『300円ね』といったジョークも交えながら、手際よくケバブサンドを仕上げてくれました。作っている過程も目の前で見られますが、その時点からボリュームを感じます。さらにボリュームを求める方には、私の前のお客さんが注文していた『ケバブラップ』をおススメします。『おっ!』と思うさらなるボリューム感で男性も満足できそうです。

 そして出来上がったケバブサンドを頬張ってみると、キャベツも肉もやはり満足な量。味は『中辛』を指定しましたが、とてもスパイシーです。通常のケバブでは牛肉やラム肉、鶏肉が使用されていますが、スパイシーな味付けなので何肉か分かりづらいかもしれません。このお店は売値や見た目、味から考えると鶏肉でしょう。味は個人の感想として美味しいと思います、ファストフードが好きな人たちには受け入れられる味ではないでしょうか。この価格でこの味、ボリュームならチェーン店のハンバーガーにも負けていないと思います。なるほどネット上で静かな話題になるわけだと思いました。

 お客さんが感じるコスパとして優れていると思います。肉の量は目見当で入れてましたので正確なグラム数を量っていませんでしたが、80gとして80円くらいと仮定します。ピタパンは市販では1枚100円近くしますが半分で50円弱。キャベツやソースでその他40円くらいと仮定すると、ざっくりですが計170円くらいとなります。それを350円で売っているので原価率約50%ですから、お得に感じることでしょう。しかし、この業態のお店はセントラルキッチンか業者さんから大量に仕入れ、仕込んでいますし、コストを意識して冷凍外国産の鶏肉を使用していることでしょう。これらの材料費抑制が低価格での提供を可能にしている一因と思いますが、お客さんとしては身近な購入価格ベースの感覚や他店商品と比較して、十分にコスパの良さを感じているのではないでしょうか」