後半から途中出場した金子は「ストレスが全くなくやれたので、素晴らしいレフェリーだなと思いました」とフェルボーメン氏の印象を試合後に語っている。
前半33分、柏MF原川力が浦和DFからホールディングされたシーンがあったが、フェルボーメン氏はあえてファウルを取らなかった。プレーを流された原川は試合後に説明を求めたところ、フェルボーメン氏から「君は強いから大丈夫だ」と言われたという。
しかしながらフェルボーメン氏はファウルを取るべき場面では取った上で、警告1枚というクリーンな試合を演出した。“判定基準が曖昧”であることと“臨機応変さ”は紙一重だが、フェルボーメン氏は上手くそれを使い分け、プレーする選手を納得させた点では、やはり日本人レフェリーのレベルを上回っていると認めざるを得ないだろう。
フェルボーメン氏以外では、エリオット・ベル氏が主審を務めた3月1日のJ2第3節ベガルタ仙台対大分トリニータ(キューアンドエースタジアムみやぎ/2-0)では両軍合わせて警告3枚。またハリソン・ブレア氏が裁いた3月1日のJ3第3節栃木シティ対アスルクラロ沼津(CITY FOOTBALL STATION/0-0)では、警告2枚で試合をコントロールできていた。
もちろん日本人レフェリーも突然のファウル基準の変更に付いていこうと、欧州サッカーをチェックしアップデートを試みているだろうが、世界を知る外国人レフェリーが生きた見本となることは言うまでもないだろう。現在来日中の4氏と、後に続く11人の外国人レフェリーの判定が日本人レフェリーと今後のファウル基準に大きく影響してくるのではないだろうか。