レフェリーの国際移籍制度はないが、JFA(日本サッカー協会)とJリーグは2008年から海外のサッカー協会と「審判交流プログラム」を提携し、各国との国際交流と国際経験の機会を作る試みを行っている。

今2025シーズンはフェルボーメン氏以外にも、イングランド人のエリオット・ベル氏、ハリソン・ブレア氏、さらに女性レフェリーのメリッサ・バーギン氏が来日中。フェルボーメン氏は3月17日まで、他の3人は3月21日まで、J1・J2・J3・ルヴァン杯1回戦・WEリーグで主審を務めることになっている。

その後もポーランドとサウジアラビアから3人、ドイツから2人、イングランド、エルサルバドル、カタールからそれぞれ1人のレフェリーが来日予定となっており、JリーグとWEリーグで笛を吹く予定だ。

また、「交流」を謳っていることから当然、日本人レフェリーも海外に派遣される。昨年は16人のレフェリーと3人の審判インストラクターが8か国に派遣された。

金子拓郎 写真:Getty Images

フェルボーメン氏のレフェリング

国際審判員としても活躍しているフェルボーメン氏は、2024/25シーズンUEFAカンファレンスリーグ予選も担当し、ベルギーリーグでは150試合以上で主審を務めている経験豊富なレフェリーだ。

来日初仕事となった2月26日の町田ゼルビア対東京ヴェルディの「東京クラシック」(町田GIONスタジアム/0-1)は、フィジカルコンタクトの多い一戦で両軍合わせて5枚の警告が出されたが、選手がエキサイトするようなシーンは見られず、上手くコントロールしていた。

冒頭に挙げた浦和対柏の一戦では、昨2024シーズンKVコルトレイクで半年間プレーしていた浦和MF金子拓郎のことを覚えていたようで、金子もフェルボーメン氏から警告を受けたことを思い出し、試合前には談笑する姿が見られた。