来日したクルド人の多くは、難民認定申請をすることで一時的に日本での居住が認められているのだが、日本政府は難民を受け入れる法整備が整っていないため、その身分は“宙ぶらりん”の状態を強いられている。

本来であれば、政府が彼らに寄り添い市民権を与え、納税義務を課した上で住民サービスを提供すべきなのだが、国にも自治体にもそうした動きは見られない。“棄民”扱いされた彼らは一部が不良化し、日本の法律やモラルを無視し、ゴミの不法投棄や騒音、迷惑駐車などで苦情が自治体に相次いでいるほか、無免許でのひき逃げや性的暴行などの事件も起こしている。


サッカーボール 写真:Getty Images

不遇な状況にある民族同士エールも

現在、ジズレにおけるトルコ軍によるクルド人迫害は小康状態にあり、街も平穏を取り戻しつつあるという。しかしながら、トルコに強制送還されれば迫害を受ける可能性がある中で、平和な日本での生活を選び、根を降ろしたクルド人が仲間を来日させ、ネズミ算式にその数を増やしているようだ。恐らく彼らはどれだけ説得されても日本での生活を捨て、死の恐怖を抱えながらトルコに戻ろうとはしないだろう。

埼玉県草加市に本社を置く株式会社小川不動産のホームページを覗くと、川口市について「埼玉県内で住みたくない街ランキング」で2位となった株式会社コレクの調査結果と、「埼玉県内で最も刑法犯認知件数が多い」という綜合警備保障株式会社(ALSOK)の調査結果を引用した上で、川口市一部地域の地価下落の原因をクルド人流入による治安の悪化にあると結論付けている。

そんなクルド人だが、不良ばかりではなかった。あえて過去形にしたのは、今回問題を起こした「FCクルド」は先月、群馬県に多いミャンマーのイスラム教徒少数民族のロヒンギャとの交流サッカー大会を開催し、不遇な状況にある民族同士エールを送り合い、心温まるニュースとして広く報じられた。これが2月9日の出来事であり、たった1か月の間で“変節”したとはとても考えられない。

Jリーグ 写真:Getty Images

FCクルドの謝罪