そんな新戦力のなかでも補強の目玉の1つに挙げられるのが湘南ベルマーレから加入したMF田中聡だ。昨年はパリ五輪のメンバー入りこそ叶わなかったものの、Jリーグでは年間を通して高いパフォーマンスを発揮。球際での強さを武器にボールを奪い取る能力に長け、また攻撃面でも積極的なシュートの姿勢を見せるなど存在感を発揮し5ゴール4アシストといずれも自己最多を更新する数字を残している。
新天地である広島でもここまで4試合すべてに出場しており、早くも信頼を勝ち得ていると言える。気がかりなのは、広島の主力選手すべてに言えることだが連戦続きによる疲労の蓄積。その点を除けば、今回の代表に招集されたとしても十分に活躍できる能力を持っていると言えよう。まだまだ22歳と伸び盛りの田中。日本代表デビューの日もそう遠くはないはずだ。

FW鈴木章斗(湘南ベルマーレ)
今季のJ1リーグでは、鹿島アントラーズのエースFW鈴木優磨やセレッソ大阪の新たな得点源として台頭しつつあるFW北野颯太、サンフレッチェ広島期待のルーキーFW中村草太など日本人FWの活躍が際立つ。そんなリーグの中で存在感を放っているのが、湘南ベルマーレの若きエースFW鈴木章斗だ。
昨季34試合に出場し10ゴールと自身初の二桁得点を挙げて湘南の残留に貢献した若手は、今季も開幕からスタメン出場を続けここまで3ゴールをマーク。得点力に加え前線で起点となる動きでもチームの攻撃を支え、昨季を超える活躍が大いに期待できるシーズン序盤を過ごしている。
湘南の点取り屋といえば、カタールW杯のメンバ―に選ばれ現在はドイツのホルシュタイン・キールでプレーするFW町野修斗や、昨年夏に欧州へ渡り11月には日本代表デビューも果たしたFW大橋祐紀(ブラックバーン・ローバーズ)が思い出される。21歳ながらもすでに二桁ゴールを挙げた実績を持ち、今季も引き続き代えの利かない存在として活躍を続ける鈴木は彼らと同じあるいはそれ以上のステージへ上る権利を十分に有していると言えよう。他のポジションと同様FWも比較されるのは欧州で活躍する選手ばかりだが、ポテンシャルの高さから早く代表で見てみたい選手の1人であることは間違いない。