川のほとりの足湯を横目で見ながらさらに奥に進めばいよいよ銀山温泉のメインスポット、側の両側に並ぶ温泉旅館の光景が現れます。

雪深い山形の山奥に広がる温泉街。ここだけ大正時代から時が止まってしまっているかのような光景です。この光景を見るために遠く海外から多くの観光客が訪れます。

銀山川にはいくつか橋が架かっているのですがその中のひとつに足湯や机のある橋があります。ここで足湯に浸かりながら写真を撮ることができます。

せっかくなので入ってみました。結構あったかい。銀山温泉は思わず歩き回ってたくさん写真を撮ってしまっていて気づけば歩き疲れてしまっているのですがその足の疲れを癒してくれるありがたい存在です。

銀山温泉はその名の通り室町時代に発見された銀鉱山がこの地にあったことから発展しました。鉱山のあったころは20万もの人がいたそうですが、江戸時代初期に鉱山が閉山すると町は衰退、温泉地として再出発することとなりました。

現在のような町が形成されたのは大正2年に洪水に見舞われ温泉街が壊滅して以降のこと。大正時代から昭和初期にかけて建てられた建物で形成されており、この時代の流行だった西洋風の装いを取り入れた建物が多いから大正浪漫の秘湯と呼ばれてきました。

これだけの木造多層建築が立ち並ぶ場所は他に類を見ないことから人々の目を惹き、そのノスタルジックな光景は映像界にも注目されて連続テレビ小説「おしん」などドラマや映画の舞台、アニメのモデルにもなりました。このため知名度が急上昇し多くの観光客が訪れる山形県でも有数の観光地となっています。

中でも目を見張るのが大正15年に建てられた能登屋旅館。3層5階建の木造旅館は他に類を見ないものであり国の登録有形文化財に指定されています。

銀山温泉のもうひとつの特徴は鏝絵(こてえ)と呼ばれる漆喰を用いて描かれた絵や看板が旅館の戸袋などに描かれていること。洪水のあと温泉街が洋風モダンな町に生まれ変わったときに豪華さを競い合いこのような絵や看板が掲げられたといいます。この絵がまた銀山温泉独特の光景を生み出しています。