ブラジル・アマゾンの小さな町ブリチクプ(人口約5万5000人)が、次々と発生する巨大な陥没穴(シンクホール)によって消滅の危機に瀕している。地元当局はすでに1200人を危険区域から避難させたが、根本的な解決策が見つかっておらず、事態はさらに悪化している。

30年以上前から続く土地の侵食

 ブリチクプの陥没問題は30年以上前から指摘されていた。砂地の地盤、都市計画の不備、大規模な森林伐採が重なり、土地の侵食が進んできた。しかし、近年の豪雨がさらに状況を悪化させ、陥没穴は急速に拡大。数年前には26か所の巨大な穴が確認されていたが、一部が合体し、深さ20メートルにも及ぶ巨大な峡谷へと変貌してしまった。

 市当局が今月発令した緊急声明では、「ここ数か月で陥没穴の規模は急拡大し、住民の家に迫りつつある」と危機的状況が訴えられている。