これ以前に最古のセイヨウネズとされていたのは樹齢1070歳の個体でしたが、今回はそれを600年近くも更新する結果となりました。
また低木として見ると世界最古でもあるといいます。
(高木としては、スウェーデンで見つかったドイツトウヒが樹齢9550歳と推定されている)
それからチームは、このセイヨウネズの他にも、同地で樹齢1000年以上に達する個体を4本見つけています。
古木は気候変動の解明に役立つ
この発見は、単なる「長生きの木」の話にとどまりません。
樹齢1000年以上の木は世界各地に存在しますが、これらの木の研究は気候変動の解明にも役立ちます。
木の年輪には、それぞれの年の気候条件が記録されており、過去の気温や降水量の変化を知る手がかりになるのです。
例えば、極端な気象条件に適応できるセイヨウネズの成長パターンを分析することで、未来の気候変動の影響を予測する手助けにもなると研究者は話します。
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またこうした樹齢1000年を大きく超える古木の年代測定は、考古学的な木材の年代測定にも応用できる可能性があります。
この小さな低木が見せてくれる長い歴史は、地球環境の変化を知る上で欠かせない存在なのです。
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参考文献
Italian researchers discovered world’s oldest shrub in Finland
https://www.utu.fi/en/news/press-release/italian-researchers-discovered-worlds-oldest-shrub-in-finland
元論文
Common juniper, the oldest nonclonal woody species across the tundra biome and the European continent
https://doi.org/10.1002/ecy.4514