みなさんもご存じの通り、オーストラリアには、独自の生態系に適応したユニークな生き物がたくさんいます。コアラやカンガルーもユニークですけれど、今日は、一味違う生き物をご紹介!「ネイティブビー(在来ミツバチ)」です。
しかもこのミツバチ、なんと...針がない!つまり、刺される心配ゼロ。針を持たないネイティブビー(ハリナシミツバチ)は、近年ペット(?)としても注目を集める存在なんです。小さくてかわいいですし、人を刺さないので、子どもや初心者でも安心して飼育できるのが魅力です。
私たちの家でも、ケアンズのマーケットで購入した巣箱を設置し、「プチ養蜂」を始めることにしました。
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オーストラリアの在来ミツバチってどんな蜂?
そもそも「ネイティブビー」って聞いたことありますか?オーストラリアの固有種のミツバチで、その中でも特に人気なのが「ハリナシミツバチ」です。その名の通り針がないので、刺される心配がまったくありません。だからこそ、初心者でも安心して飼育できるし、子どもがいる家庭やアレルギーを持っている人にもうってつけの蜂なんです。
見た目は、私たちがよく知るセイヨウミツバチよりもずっと小さくて、黒っぽい色をしていて、一見、アブと間違えるような姿をしています。
そして、意外にも、このネイティブビーは、行動範囲が広く、小さいながら、半径500mくらいの距離を飛び回りながら蜜を集めるので、自宅の庭に花が少なくても、近所の植物からちゃんと蜜を調達してくれます。

そして、せっかく蜂を飼うのなら、蜂蜜が採れるのも楽しみなことのひとつですよね!ネイティブビーは、セイヨウミツバチに比べると体が小さいので、蜂蜜の生産量もかなり少なめで、年間1kgほどしか取れません。
でも、その分、ネイティブビーの蜂蜜ははとても濃厚で、ほんのりと酸味があるフルーティーな味わい。オーストラリアでは「シュガーバッグハニー」とも呼ばれていて、貴重な蜂蜜ですので、値段も高く、セイヨウミツバチの蜂蜜より薬効が高いとも言われています。

また、在来ミツバチを飼育することで、オーストラリアの生態系を守ることにもつながります。外来種のセイヨウミツバチとは異なり、ネイティブビーは在来植物との相性が抜群なのですよ。持続可能な生態系の保護にも役立ちます。
「刺さない、安全、手間いらず、蜂蜜も美味しい!」となれば、飼ってみたくなりませんか?
ネイティブビーの巣箱、マーケットで発見!
ケアンズには、週末ごとに開かれるローカルマーケットがたくさんあります。観光客向けのおしゃれな雑貨や、新鮮なトロピカルフルーツが並ぶマーケットも楽しいですが、地元の人たちが集まるマーケットには、その土地ならではのユニークなものが売られていることも多いんです。
そんなマーケットをぷらぷらしていたある日、ふと目に入ったのが、ネイティブビーの巣箱やネイティブビーの蜂蜜も売っているお店!手作りの木の巣箱や蜂蜜の販売だけでなく、実際にネイティブビーが住みついている巣箱も展示されていて、一気に養蜂への情熱がメラメラと燃え上がったのでした。

興味津々で覗き込むと、すでに地元の人たちが何人も集まっていて、みんな熱心にお店の人に飼い方などを質問していました。ケアンズでは、庭にネイティブビーが勝手に住みつくことも珍しくないので、こうして巣箱を買って「ちゃんと飼いたい!」と思っている人が意外と多いんですよね。
実は、私たちも前々から気になっていたんです。もともと、オーストラリアでは養蜂が割とポピュラーな趣味で、普通のミツバチを飼って蜂蜜を採ることを趣味にしている人も結構います。
でも、本格的な養蜂となると、初期費用が10万円以上かかるし、蜂の管理や世話も大変。家を留守にしたいときも、誰かに蜂の世話を頼むのも気が引けますしね(笑)、なかなか踏み出せずにいました。
その点、ネイティブビーの養蜂はとってもシンプル。巣箱のサイズもコンパクトだから庭のどこにでも置けるし、初期費用も1万2千円ほどとお手頃。さらに、何よりも手がかからない!エサや水をあげる必要もなく、蜂たちが自分で環境に適応してくれるので、「ちょっと試してみるにはちょうどいいかも?」と、私たちもついに決心。