たとえば、AIが提示した情報をそのまま使うのではなく、その根拠を自分で調べ直す、あるいは異なる情報源と照らし合わせることで、批判的思考を鍛えることができます。

画像
AIの出力に疑問を持ち、検証する習慣を身に着ける / Credit:Canva

また、意識的に「自分の頭で考える時間」を確保することも有効です。

アイデアを生み出そうとする際、最初からAIに頼るのではなく、まずは自分なりに考え、生み出すことが大切です。

そしてその後、補助的にAIを使用し、自分のアイデアとAIのアイデアを比較してみるのもよいでしょう。

このような「補助輪としてのAIの使い方」を意識すれば、AIの恩恵を受けつつ、自分の思考力も維持できるはずです。

そしてそのことを意識できるなら、AIとの共存メリットを最大限に活かすこともできます。

実際、医療や法律などの分野では、AIが提供する情報を専門家が検証することで、精度の高い意思決定が可能になっています。

AIは便利なツールですが、思考のすべてを任せてしまえば、人間の知的な力は確実に衰えていきます。

AIに使われるのではなく、AIを使いこなす。これが、思考力を守るための最大のポイントなのです。

全ての画像を見る

参考文献

Use it or lose it: The human brain will be reshaped by AI
https://newatlas.com/ai-humanoids/use-it-lose-it-ai-critical-thinking/

元論文

The Impact of Generative AI on Critical Thinking: Self-Reported Reductions in Cognitive Effort and Confidence Effects From a Survey of Knowledge Workers
https://www.microsoft.com/en-us/research/publication/the-impact-of-generative-ai-on-critical-thinking-self-reported-reductions-in-cognitive-effort-and-confidence-effects-from-a-survey-of-knowledge-workers/