樺沢さんは、感謝を意識することで、脳がポジティブに変化していくと指摘します。日々、感謝の気持ちを持つことで、周囲の人の支えや良い面に気付きやすくなるのです。
筆者は、この「感謝脳」の状態は「自己肯定感」と密接に関連していると理解しました。自己肯定感とは、自分の現在の状態をそのまま受け入れ、肯定できる感情のことです。周囲の人への感謝を意識することで周囲の人の支援や自分の成長に気付きやすくなるため、自己肯定感が育まれるようになります。
反対に、自己肯定感が低い状態では、他人と自分を比較する傾向が強くなります。そのため、ネガティブな感情を持ちやすくなり、「毎日の生活が閉塞感に包まれている」「何をするにも気乗りしない」といった状態が続いてしまいます。
大切なことは「自分のあり方」であり、自分の価値は他人によって規定されるものではないのを理解することです。他人の評価を気にせず、自分の選択を大切にすることで、自己肯定感は徐々に高まっていきます。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
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