ずいぶんと厳しい数字ですが、救済策もあります。義務化の水準を達成したメーカーから二酸化炭素の排出枠を買い取ることができるのです。ごまかしっぽいですが……。
EV車の販売が増えないため、メーカー側は政府に対し販売ノルマの緩和と車の購買を考えている人にEVを選択するための優遇措置を提供してほしいと訴えています。
EVの販売台数は次第に増えており、昨年11月時点では新車販売4台のうち1台がEVでした。メーカー側は自分たちが価格に巨額のディスカウントを提供しているから増加しているのであって、今後の継続は困難と言っています。新車・中古車を含めた車市場全体で見ると、EV販売台数は全体の3.9パーセント。小さな存在です。
EVの価格は高め
価格もまだまだ高めです。オンラインの自動車売買市場「オートトレーダー」の調べによると、EVは新車で1台3万ポンド(約583万円)以下が少なく、ディーゼルやガソリン車はこれ以下が大部分です。EV車は自宅でも充電できるものの、路上にある充電スタンドの数がまだ十分ではありません。完全充電の後どれくらい走行できるのかについても、まだまだ不安が消えません。
世界的にはどうなのか
話を英国外に広げてみましょう。
英フィナンシャル・タイムズ紙の記事(11月29日付)によると、米国の自動車界でEVが占める割合は今年13パーセントに達する見込みで、欧州では23パーセントに。いずれも減少傾向です。
一方、国家戦略としてEVの生産に力を入れてきた中国では50パーセント強に。
欧州の消費者はEVの実売り価格の半額を「買えそうな金額」と考えており、ギャップがあります。
唯一EV普及度で例外といえるのがノルウェーで、なんと新車販売の96パーセントがEVだそうです。価格面での優遇策、充電インフラの充実などが主な理由です。
英国でも、政府が国内の自動車産業を支援し、EVをさらに後押しするために動くことが求められています。