まとめると、柑橘類を食べることで腸内のF. プラウスニッツィイが増え、セロトニンやドーパミンの分泌が促進され、それが気分の向上につながり、うつ病が起きにくくなる可能性があるのです。

(またこの研究では、柑橘類に含まれるナリンゲニンという成分がF. プラウスニッツィイの増加を促すことも突き止められました)

今回の研究は「柑橘類の摂取がうつ病のリスクを低下させる可能性がある」ことを示すものです。

しかし当然ですが「ミカンさえ毎日食べていれば、確実にうつ病が予防できる」とは言えません。

うつ病は食事だけでなく、遺伝やストレス、生活環境など多くの要因が絡み合って生じる複雑な病気です。

とはいえ、日々の食生活がメンタルヘルスに与える影響は決して小さくありません。

うつ病のリスクを下げるためにも、健康的な食事習慣を取り入れることが重要です。

今日から1日1個のミカンを食べる習慣を始めてみてはいかがでしょうか?

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参考文献

Forget apples—researcher outlines how an orange a day may reduce depression risk by 20%
https://medicalxpress.com/news/2025-02-apples-outlines-orange-day-depression.html

元論文

F. prausnitzii potentially modulates the association between citrus intake and depression
https://doi.org/10.1186/s40168-024-01961-3

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部