J1リーグ2節終了時点で警告がないチームは、ヴィッセル神戸だけだ。22日に行われた名古屋グランパス戦(豊田スタジアム/2-2)では、名古屋イレブンのファウル覚悟の際どいタックルが主審に流される場面が散見し、FW武藤嘉紀が激昂する場面も見られた。
試合開始早々のゴールをVARで取り消されたものの、2ゴールを記録した元日本代表FW大迫勇也も試合後、判定基準の曖昧さにストレスを感じていたようで、負傷者の増加を危惧しつつ「本当に大丈夫なのかなJリーグ」と痛烈なひと言を放ったことが報じられている。
「あれはプレミア(リーグ)でもファール」と語るほど、名古屋DFの厳しいマークに遭いながらも結果を残した大迫の決定力には脱帽するしかない。1860ミュンヘン(2014)、ケルン(2014-2018)、ヴェルダー・ブレーメン(2018-2021)と長くドイツのブンデスリーガで活躍し、J復帰後も2023シーズンのJ1得点王に輝いた、衰え知らずの34歳の言葉は説得力十分だ。
同様に欧州で長くプレーしたセレッソ大阪のMF香川真司も、開幕前のガンバ大阪との大阪ダービー(14日/パナソニックスタジアム吹田/5-2で勝利)において、コンタクトプレーについて「結構流しているなという印象はあった」と話していることが報じられた。実際、双方の1点目は主審の木村博之氏が、ファウルを流しアドバンテージを見てプレーを続けさせた好判断から生まれている。

インテンシティの高さと汚いプレーは別物
野々村チェアマンはプレー強度について「世界を体感してきた選手や森保監督にも、どういったところを変えなければいけないかを聞いてきた」とし、「コンタクトプレー、強度というのは、強さ、深さ。世界のトップレベルでやってきた選手から何度も言われてきた部分」だと語った。“これこそが世界基準”とでも言いたげなコメントだが、そもそも、インテンシティの高さと汚いプレーとは別物だ。