高速道路などの有料道路において、無線通信により通行料金を支払うことができるETC(自動料金支払いシステム)。
国交省のデータによれば、高速道路等を通行する車両の95パーセント(2024年10月)がETCを利用しているとのこと。
いまや自動車の必須アイテムとなった感のあるETCですが、現在使っている車載器が近い将来使えなくなるかもしれません。その理由と、継続して使える機種の見分け方を詳しく解説します。
目次
・アナタのETCは大丈夫?もうすぐ使えなくなるかも
・なぜ問題が起きたのか?

ETC(Electronic Toll Collection System)=電子式料金自動収受システムは、高速道路の料金所ゲートのアンテナと車両に装着されたETC車載器の無線通信により通行料金を支払うシステムです。
利用するには、車両に搭載するETC車載器のほかに、ETC 専用のカードが必要です。ETCカードには、クレジットカードに紐づいたものと、クレジットを利用しないETCパーソナルカードがあります。
一部で使用できないところもありますが、日本中の有料道路のほとんどでこのシステムが導入されており、キャッシュレス&ノンストップで通行料金を支払うことができます。
ちなみに、ETC登場前の有料道路等で発生する渋滞の約30%が料金所での支払いによるもので、ナンバーワンの原因でした。
それが、ETCの普及で料金所渋滞が解消されると同時に、車の流れがスムースになることによって燃費がよくなったり、排気ガスや近隣騒音などにも効果を発揮しています。
さらにETC 2.0に対応した機種では、圏央道や東海環状自動車道などで通行料金の割引も受けられるなど、ドライバーにとってメリットは少なくありません。
アナタのETCは大丈夫?もうすぐ使えなくなるかも
そんな便利なETCですが、2030年ごろを目処に現在の車載器が使用できなくなるかもしれません。
数年前にも古いETC車載器が使用できなくなるという問題がありましたが、法令が改正されたことによって、古い機種であっても継続して使えています。
しかし、次は国交省が情報漏洩などを防止する目的でセキュリティ規格の変更を2030年ごろまでに予定している関係で、多くのETC車載器が使えなくなると言われています。
継続して使えるのは、ETC、ETC2.0問わず、新セキュリティに対応する機種だけになります。ETC2.0であっても、旧セキュリティ対応機種があるので注意しましょう。
以下では、現在使っているETC車載器が新セキュリテイ規格に対応できる機種なのか?見分け方について解説します。

チェックポイントは3つです。
19桁の管理番号
車載器には19桁の管理番号というものがあり、その最初の数字が「1」であれば新しいセキュリティ規格に対応している機種。「0」は古い規格です。
車載器本体のラベルで確認することができますが、車載器本体が、純正のビルトインタイプで外せないとか、内装に両面テープなどでがっちり固定されている場合は、「セットアップ申込書・保証書・取扱説明書・証明書」等で確認することができます。
また一部の機種では車載器の音声案内で確認する方法、ナビゲーション連動タイプでは、ナビ画面上から確認する方法などもあります。
本体に⚫️⚫️⚫️がついている
新セキュリティ対応の車載器には、ETCロゴの下またはカード差込口付近に「⚫️⚫️⚫️」のマークがついています。旧規格の機種にはマークがありません。
ETC2.0のロゴが付いていて、■マークがない
ETC2.0車載器の場合、本体に「ETC2.0」のロゴがありかつカード差込口近くに「■」マークがない機種が新企画対応タイプです。
「■」マークがついていたり、「DSRC」と記載された機種は旧規格になります。
ただし、車載器の型式によってはついてない場合もあるので、車載器番号や、ロゴか確認方法でわからない場合はセットアップ対応できる、販売店や自動車整備工場、ディーラーなどで確認が必要です。