実験では以下の4つの項目を調べています。

1:怒り特性の測定

・参加者の「怒りっぽさ」を測るために、専用の測定ツール「State-Trait Anger Expression Inventory-2(STAXI-2)」を使用。

・「私は短気な性格だ」などの質問に答えてもらい、怒りの傾向を数値化。

2:客観的な知能の測定

・「Raven’s Advanced Progressive Matrices」を用いて、流動性知能(新しい問題を解決する能力)を測定。

3:主観的な知能の評価

・各参加者に「自分自身の知能」と「パートナーの知能」を1〜25のスケールで評価してもらう。

4:関係満足度の測定

・「Relationship Assessment Scale」を用いて、カップル間の関係満足度を評価。

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Credit: canva

この調査の結果、以下のことが明らかになりました。

1:怒りっぽい男性ほど、女性パートナーから「知能が低い」と評価されやすかった。これは男性の実際の知能とは関係なく見られる傾向だった。

2:怒りが強い男性ほど、自分自身の恋愛関係に満足していなかった。

3:怒りっぽい男性のパートナー(女性)も恋愛関係の満足度が低かった。

4:総じて、「男性の怒りの強さ」→「知能の低評価」→「恋愛関係の満足度の低下」という因果関係が示唆された。

まとめると、この結果は、女性が男性の怒りっぽさを衝動性や感情制御の低さと結びつけることで「彼氏は知能が低い」との認識につながることを示しており、さらにその認識が恋愛関係の満足度に悪影響を与えていることを示すものです。

今回の研究から、怒りっぽい男性は、知能が低く見えるだけでなく、それが恋愛関係の満足度を下げる要因になりうることがわかりました。

これは「怒りの感情」がパートナー選びや恋愛の継続に重要な影響を及ぼすことを示しています。

つまり、冷静で思いやりのある態度を持つことは、単に人間関係を良好にするだけでなく、知的に見られ、恋愛関係の満足度を高める鍵になるのです。