JFLは人件費面で厳しい状況にあるクラブも多く、大物外国籍選手や日本代表候補に挙げられる若手選手の獲得は不可能に近い。また、アルバイトをしながら生計を立てる選手もおり恵まれた環境とは言えない。
2024年7月にJリーグが発表した各クラブの経営情報によると、盛岡の2023年度トップチーム人件費は2億5500万円。JFLに降格した今年はさらに削減されることも十分に考えられる。限られた予算の中で若手選手やアマチュア契約選手、ベテラン選手がそれぞれ融合しチームの完成度を高めていく必要がある。西や小林、藤本といった経験豊富な選手たちにはピッチ内外で盛岡をJ3へと導く活躍を期待したい。

観客動員数と入場料収入問題
改めてJFLからJ3への昇格条件に目を向けると「優勝クラブがJ3へ昇格」「2位クラブはJ3最下位(クラブライセンスなど他の要件あり)との入れ替え戦に勝利した場合に昇格」となっており、最低でも2位以内に入ることが昇格の必須条件と言える。
J3への復帰には成績以外にも「1試合当たりの平均観客動員数2000人以上かつ年間入場料収入1000万円以上」という条件がある。昨シーズン、盛岡の平均入場者数は1試合あたり1,362人でテゲバジャーロ宮崎の1,164人に続くワースト2位。降格により今季はさらなる落ち込みが懸念される。無料招待券の配布で集客を増やす方法もあるが、入場料収入の条件もあることから実際にチケットを購入してスタジアムに足を運んでもらう必要がある。
盛岡のチケット価格は、中学生以上の料金がS自由席1,000円、A自由席500円と比較的手頃な設定だ。地域に密着したクラブとして、いかに観客数を増やすか。ホームタウン活動やスポンサー獲得に向けた取り組みなど広い意味での戦略が必要となるだろう。
