研究チームは今回、マウスを使った実験を行いました。

マウスにβ-グルカンを投与した後、インフルエンザウイルスに感染させ、その影響を分析しました。

その結果、β-グルカンを与えられたマウスは、そうでないマウスに比べて肺の炎症が大幅に軽減され、肺機能が改善し、生存率も向上していたのです。

この結果は、β-グルカンが単に「免疫を強化する」のではなく、「免疫のバランスを調整する」働きを持つことを示しているといいます。

特に、免疫細胞の一種である好中球の働きをコントロールし、過剰な炎症を抑制することが分かりました。

さらに驚くべきことに、β-グルカンを摂取したマウスでは、その効果が最長1カ月も持続していたのです。

これはβ-グルカンが免疫細胞を「再プログラム」し、持続的に適切な免疫応答を維持させる可能性を示唆しています。

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Credit: canva

今回の研究は、まだ動物実験の段階であり、ヒトでの効果は今後の研究で明らかにする必要があります。

それでもβ-グルカンが免疫システムにポジティブな影響を与えることは、すでに多くの研究で確認されています。

例えば、オーツ麦や大麦などの穀物にも含まれるβ-グルカンは、腸内環境を整えたり、免疫機能を向上させたりする効果があることが知られています。

これらのことから、日常的にキノコを食べることで、体の免疫バランスを整え、インフルエンザの重症化を防ぐ可能性があると考えられます。

もちろん、インフルエンザワクチンや基本的な感染対策を怠らないことも重要です。

しかし、日々の食事にキノコを取り入れることで、健康をサポートできるかもしれません。

これからの寒い季節、食卓にキノコを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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参考文献

Common Mushroom Fiber May Protect Against Flu, Study Finds
https://www.sciencealert.com/common-mushroom-fiber-may-protect-against-flu-study-finds