おすすめ軽スーパーハイトワゴン5選
ほぼ全方位隙なしの軽の王者ホンダ N-BOX

軽自動車では10年連続、登録車も含めても3年連続でもっとも売れているホンダ N-BOXは、2023年に全面改良を受けて3代目に移行しました。
人気車種だけに中古車の流通量も多く、高速道路でもNAエンジンで必要十分に走ると思わせる動力性能を唯一感じさせる軽スーパーハイトワゴンですので、街乗り中心であればNAでも十分。
ターボであれば、4人乗車や多くの荷物を積んだ状態でも元気な走りを披露してくれます。
居住性もトップクラスを誇り、センタータンクレイアウトによる低くてフラットな後席足元空間をはじめ、3代目は後席の肩まわりを55mm拡大するなど、2代目で完成形と思われたパッケージングをさらに煮詰めています。
後席のチップアップ&ダイブダウンによる多彩なシートアレンジ、積載性の高さも魅力です。
1人3役をこなす「マルチユースフラップ」で王者を追いかけるスズキ スペーシア

2023年11月に3代目になったスズキ スペーシアは、2024年上半期軽自動車新車販売台数で2位になりました。
全車マイルドハイブリッド化により、燃費(WLTCモード)は同クラストップの最高値25.1km/Lを実現し、N-BOXの21.8km/Lに3.3km/Lの差を付けています。ガソリン高が続くなか、無視できない向きも多いはず。
動力性能や乗り心地、ハンドリングではN-BOXに譲る印象があるものの、室内や荷室の広さは体感上では差はあまり感じられません。
現行スペーシアの後席に用意されるマルチユースフラップは、オットマン、レッグサポート、荷物ストッパーの3モードに容易な操作でアレンジできます。
筆者がとくに便利に感じられたのは、後席座面に置いた荷物が前に転がり落ちるのを防ぐ荷物ストッパーモードで、同装備はこのモードから着想していったそうです。
軽唯一のミラクルオープンドアを備える ダイハツ タントは後期型で利便性を向上

ダイハツ タントは、同社の認証不正問題による出荷停止(2023年4月から再開)があったにも関わらず、2023年暦年で軽自動車新車販売台数3位にランクインしています。
同クラス唯一の助手席側ピラーレスの「ミラクルオープンドア」をはじめ、4代目となる現行型は2022年のビッグマイナーチェンジで後席と荷室の操作性を大きく変更しました。
後席裏に操作レバーが追加され、荷室側からも後席のスライドが可能になり、ライバルと同等の操作性を実現。
さらに、ラゲッジボードも一新し、上下2段式とすることで、上段にすれば後席背もたれ前倒し時にフラットになり、下段にすれば荷室高を稼げます。
ラゲッジボードは脱着可能で、取り外して脚を展開すれば、車外でミニ(ロー)テーブルとして使用できます。これは、アウトドア系モデルのタントファンクロスだけではなく、ノーマル、カスタム共通の変更点になっています。
マイナーチェンジで「セレナ顔」になった日産ルークス

日産 ルークスは、2023年4月にマイナーチェンジを受け、最新の「Vモーション」フロントグリルが目を惹く顔つきになりました。
同改良では、新たにインテリジェント ルームミラーが採用されたのをはじめ、LEDヘッドランプ、ディスプレイ付自動防眩式ルームミラーの全車標準化により安全性を高めています。
後述する兄弟車のデリカミニと同様に、後席左右別々にスライドが可能で、足が組めるほどの後席足元空間、1,390mmの後席室内高を備えるなど、軽スーパーハイトワゴンにふさわしい広さを実現。
最上位グレードには高速走行の運転をサポートする「プロパイロット」も用意されています。
あえて4WDを選択したい三菱 デリカミニ

非降雪地域における4WDの必要性は、日常使いではほとんどないでしょう。
むしろ重量増による燃費や走り(動力性能)への悪影響、FF(2WD)よりも車両価格が高くなるなど、雨天時も含めた操縦安定性といった得られる実利を大きく超えるほどの印象はありません。
しかし、三菱 デリカミニの4WD仕様は、日産との共同開発において初めて、専用となる足まわりのチューニングを実施。165/60R15タイヤの装着により最低地上高も5mm高くなっています。
オンロード、ラフロードを問わず走りがより安定し、わずか5mmですがロードクリアランスの余裕が増したことで、雪上ではもちろん、街中での段差やキャンプ場や林道などの未舗装路もより安心して走破できます。
デリカミニを完全に街乗り、しかも非降雪地域で乗るのなら1.7km/L〜1.9km/Lカタログ燃費で上回るFFを選ぶ手もありますが、キャンプやウインタースポーツなどの趣味を持っていて軽スーパーハイトワゴンを狙うのならデリカミニの4WDを選択するのもアリでしょう。