なぜか世界中の多くの人々が誤った情報を共有してしまう「マンデラ効果」。(※学術用語ではありません)

インターネットで情報が素早く行き渡り、多くの人々が情報の監視やチェックを行う現代においても、多くの人々がなぜか誤認している情報というものが存在ます。

これはなぜなのでしょうか?

アメリカ・シカゴ大学(University of Chicago)の心理学者ウィルマ・ベインブリッジ氏ら研究チームは、視覚的なマンデラ効果について学術的な観点で検証しました。

この研究は、2022年12月に科学雑誌『Psychological Science』で発表されています。

目次

  • 偽情報の共有「マンデラ効果」
  • 視覚的なマンデラ効果は「常識による記憶補填」で生まれる

偽情報の共有「マンデラ効果」

マンデラ効果」とは、南アフリカの指導者ネルソン・マンデラに由来して名付けられた現象です。

彼は2013年まで生存していましたが、なぜか大勢の人は、「マンデラ氏は1980年代に獄中死した」と誤って記憶していました。

この「偽情報が強力に共有された現象」は「パラレルワールドの記憶だ」などとオカルトめいた空想とともにインターネットで話題になりました。

ここ学術用語ではありませんが、非常に興味深い現象であるとして「マンデラ効果」という用語が生まれたのです。

大勢が間違った情報を記憶しているのはなぜ?
大勢が間違った情報を記憶しているのはなぜ? / Credit:Canva

この現象の面白い点は、通常個人の体験に基づく主観的なものである「記憶違い」が、世界中の人の間で共有されていることです。

有名なガンダムのセリフでも、「足なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです」「おかしいですよカテジナさん」というのは作中の正確なセリフの言い回しじゃないと言われて、視聴済みの人でも困惑したことがあるのではないでしょうか?

しかし情報の間違いは、普通大勢の人間が関われば容易に修正されるはずです。