試しにブラウザの表示を縮小したり、拡大してみればその効果はよりはっきりわかるでしょう。
これを見るとわかるように、具体的には、ボールの色は全景で横切るストライプの色に引っ張られているのです。
今回の画像では、それぞれのボールの前を、赤、青、緑のストライプのいずれかが横切っています。これが実際の色相認識を歪めてしまうのです。
この錯覚は背景の色ではなく、全景の横切るストライプの色に依存して発生しています。
そのため、ボールを横切るストライプを試しに削除してみると、この錯視効果は消えてしまいます。

頑張って全景のストライプを消した人がいますが、たしかにボールは同色でした。
こうした錯視の効果はいろいろと研究されていますが、脳内で起きるメカニズムについては、まだ完全に理解されていません。
不明な点も多い錯視の世界の魅力
すべての色をグレースケール(白から黒の明るさの変化)に変換したバージョンは、よく似た働きの錯覚起こします。
これは「ホワイト錯視」と呼ばれていて、この効果は2010年に単独で科学雑誌「Colour:Design」に掲載された論文があります。

この例のように、灰色の四角形の上に白いストライプを置くと、それは明るい灰色に見えます。
しかし、同じ四角形の上に黒のストライプを乗せると、今度は暗い灰色に見えるのです。
論文の著者でもある心理学者のマイケル・ホワイト(Michael White)氏は、1960年代にこの効果を報告して知られるようになりました。