ソラー氏は「実際、魚たちが私たちの顔に近づき、体をじっくり観察する様子を何度も目にしました」と指摘。

その上で「私たちが魚を研究しているのではなく、魚が私たちをじっくり研究しているようでした」と話しています。

この研究は「魚と人間の関係」に対する新たな視点を提供します。

私たちは犬や猫などの哺乳類とは深い絆を築いてきましたが、進化的に遠く離れた魚とも何らかの関係を築ける可能性があるのです。

ダイビングを趣味にする方は同じスポットを頻繁に訪れていれば、そこに住む地元の魚たちがあなたを識別して、近寄ってくるようになるかもしれません。

また水族館に頻繁に通って、同じ水槽の魚たちに挨拶していれば、向こうもあなたを覚えてくれるようになるかもしれませんね。

こちらは研究の概要を説明した動画になります。(※ 試聴の際は音量にご注意ください)

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参考文献

Wild fish study humans
https://www.mpg.de/24151953/0211-ornr-wild-fish-can-recognize-individual-divers-987453-x

元論文

Wild fish use visual cues to recognize individual divers
https://doi.org/10.1098/rsbl.2024.0558

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部