人類は長い歴史の中で、現実世界の仕組みを解き明かそうとしてきた。しかし、その探求自体が無意味かもしれないという考え方がある。なぜなら、私たちの世界は“高度なコンピューター・シミュレーション”にすぎない可能性があるからだ。

シミュレーション仮説とは?

「現実は単なるシミュレーションに過ぎない」――この大胆な仮説を提唱するのは、伝説的なハッカー、ジョージ・ホッツ(通称:Geohot)である。彼はiPhoneの初のハッキングに成功し、ソニー・プレイステーション3のセキュリティを突破した人物としても知られている。さらに自動運転技術の分野でも独自のアルゴリズムを開発し、その名を轟かせた。

 ホッツは2021年、テキサス州オースティンで開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)カンファレンスで「Escape from the Simulation(シミュレーションからの脱出)」と題した講演を行い、宇宙は高度な知的存在によって作られた“プログラム”であると主張した。彼は、シミュレーションが科学実験の一環である可能性や、単なる娯楽目的である可能性に言及し、まるで現代のビデオゲームのような世界だと語った。

現実は存在しない!? iPhoneを初めてハッキングした男が語る“シミュレーション仮説”
(画像=George Hotz (self-portrait) – Wikipedia:Contact us/Photo submission, CC 表示-継承 3.0, リンクによる,『TOCANA』より 引用)