退職慰労金と退任時報酬
松本氏は、役員報酬の金額は見かけ上の金額のみから評価すべきではないという。
「ホンダは取締役および監査役の退職慰労金を09年に廃止しており、日産も07年に廃止していますが、日産はアシュワニ・グプタ元COOに退職に伴う報酬として5億8200万円支給(2024年)するなど、報酬委員会が『退任時報酬』を支払うかどうかを判断できるようになっており、これは事実上、退職慰労金に近いとものという見方もできます。一般的に役員報酬と比較して退職慰労金にかかる税金は低いため、節税対策の意味合いで役員報酬を低めに抑えて退職慰労金のほうで多く払うようにしている企業もあるため、そうした種目の金額とトータルでみていく必要があります」