「お腹いっぱい」と感じていたのに、デザートは別腹で食べられる——そんな経験は誰にでもあるはず。
これは単なる感覚的なものと思われてきましたが、最新の研究により「脳が甘いものを受け入れる仕組み」を持っていることが判明しました。
この研究を発表したのは、ドイツのマックス・プランク研究所(Max Planck Institute)の研究チーム。
彼らはマウスを使った実験により、「満腹時にデザートを欲しがる神経回路」が脳内に存在することを明らかにしました。
この発見は、甘いものを食べすぎてしまう理由の解明にもつながり、肥満や糖尿病の予防にも役立つかもしれません。
この研究の詳細は、2025年2月13日付の科学誌『Science』に掲載されました。
目次
- 「デザートは別腹」の正体を、マウスの脳内メカニズムから解明
- 人間にもマウスと同様の「デザートは別腹」メカニズムを確認!ダイエットに役立つか
「デザートは別腹」の正体を、マウスの脳内メカニズムから解明
食後に満腹を感じるのは、胃が膨らむことで神経が脳に「もう食べなくていい」と指示を出すためです。
また、視床下部のPOMCニューロンは食欲を抑える役割を持ち、食事後に活性化して、食べ過ぎないようにします。
しかし、甘いものを見ると「別腹」が作動し、再び食欲がわくことがあります。
これは単なる気のせいではなく、脳の仕組みとして組み込まれている可能性があります。
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研究者たちは、この謎を解明するために、「満腹状態でもデザートを受け入れるメカニズム」が脳内に存在するのかを調査しました。
彼らは、満腹状態のマウス に対して通常の食事と甘い食べ物(砂糖)を与え、脳の活動を観察しました。
その結果、視床下部のPOMCニューロンが活性化し、βエンドルフィンが分泌されることが判明しました。
POMCニューロンは通常、食後に食欲を抑える働きをしますが、全てのPOMCニューロンが同じように働くわけではなかったのです。