現代に生きる私たちにとって、もはや「スマホ」は手放せないアイテムとなっています。
朝起きてすぐスマホをチェックし、移動中もSNSやニュースを見て、夜寝る直前まで画面を見つめる……。
現代人の生活はスマホなしでは成り立たないほどです。
しかしもし「たった2週間スマホのネット利用をお休みするだけで、心の健康が改善し、集中力が上がる」と言われたらどうでしょう?
そんな驚くべき研究結果がカナダ・アルバータ大学(University of Alberta)らの研究チームによって発表されました。
スマホのインターネット接続を一定期間遮断することで、持続的な注意力、精神的健康、主観的な幸福感が向上したのです。
また大事なのは「スマホでの」ネット利用を止めるだけであり、パソコンを使ったネット利用はOKだったことです。
研究の詳細は2025年2月18日付で学術誌『PNAS Nexus』に掲載されています。
目次
- スマホは本当に心の負担になっているのか?
- なぜスマホのネット利用をやめるとメンタルヘルスが改善したのか?
スマホは本当に心の負担になっているのか?
私たちはスマートフォンを使うことで多くの利便性を得ています。
SNSで友人とつながり、ニュースをチェックし、仕事の連絡もすぐにできます。
しかし一方で「スマホを使いすぎているのでは?」と不安を感じる人も多いでしょう。
アメリカの調査では、約60%のスマホユーザーが「スマホを使いすぎている」と感じており、30歳未満ではその割合は80%に達することが報告されています。
また過去の研究ではスマホの長時間使用がメンタルヘルスの悪化と関連していることが示唆されていました。
特にスマホの通知やSNSの情報が常に注意を引きつけ、集中力を妨げることが指摘されています。
しかし、これらの研究の多くは相関関係に基づいており、本当にスマホの使用が直接的な悪影響を及ぼしているのかは明確ではありませんでした。