マラソンを走ったことがある人なら、42.195キロのフルマラソンを完走するのがどれほど大変かよく知っているでしょう。
しかし世界には、まともな休息を挟むことなく何日も走り続けた驚異的なランナーが存在します。
一体、人間はどこまで走り続けることができるのでしょうか?
この記事では、記録的なウルトラランナーたちの挑戦と、人間が持つ驚くべき持久力の秘密を解き明かします。
目次
- 人間が走り続けられる最高記録は?
- 人間は「長距離ランナー」として進化してきた
人間が走り続けられる最高記録は?
普通の人なら5キロや10キロを休みなく走るだけでも大変ですが、ウルトラランナーと呼ばれる人々はその何十倍もの距離を走ることで知られます。
その中でも、驚異的な記録を持つランナーの一人が、ギリシャ系アメリカ人のディーン・カーナーシス(1962〜)です。
彼は2005年に3日半(81時間)かけて、約563キロを睡眠なしで走破しました。
カーナーシスがマラソンを始めたきっかけは非常に変わっています。
彼は幼少期から走ることが好きで、高校時代には陸上部にも所属していました。
しかし社会人になると陸上競技から離れ、サンフランシスコの健康食品会社のマーケティング担当として成功し、幸せな家庭を築いています。
営業成績がよかったため勤めていた会社から自動車(レクサス)を贈呈されるなど、順風満帆な人生を歩んでいました。
しかしある日の夜、立ち寄ったクラブで美人の女性から不倫の誘いを受けます。
カーナーシスはその誘惑を受けた瞬間、「自分はこんなことをしているべきではない!」と思い立ち、突然クラブを抜け出して、その晩からマラソンを始めたのです。
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さらに2023年には、アメリカ人のウルトラランナーであるハーヴィー・ルイス(1976〜)が「バックヤード・ウルトラ」という過酷なレースに挑戦しました。