研究チームは、恐竜絶滅後の森林環境の変化が、種子と果実の進化にどのような影響を与えたのかを調査。

化石記録のデータを分析し、森林の構造変化と種子サイズの関連を示すシミュレーションモデルを作成しました。

その結果、恐竜が絶滅した後、森林はより密集し、地表面への日光量が減少したことが判明しました。

そしてこの環境では、光を求めて成長する植物同士の競争が激化し、大きな種子を持つ植物が優位に立つようになっていたのです。

なぜなら大きな種子を持つ植物は、発芽時により多くのエネルギーを蓄えているため、外部からの光が得られなくても、ある程度の期間、自身のエネルギーで成長できたからです。

さらに、これらの植物は果実を発達させ、動物による種子の拡散を利用する戦略を進化させました。

この研究では、過去6500万年間の化石記録をもとに、種子のサイズがどのように変化してきたのかを解析しました。

その結果、恐竜絶滅後に種子が大型化し、それに伴い果実も進化していったことが明らかになりました(下図を参照)。

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果実のサイズ変化(茶色)と草食動物のサイズ変化(青)/ Credit: Palaeontology (2025)

一方で興味深いことに、約3500万年前には再び種子が小型化する現象が確認されました。

これは新たに出現した大型哺乳類が、恐竜ほどではないものの、森林の構造を再び変えたことによるものと考えられています。

このように、恐竜の絶滅とその後の環境変化が、現在の果物の多様性を生み出した大きな要因であったことが示されたのです。

今回の研究は、恐竜の絶滅が果実の進化に大きな影響を与えたことを明らかにしましたが、では現代において果実の進化に影響を与えているのは誰でしょうか?

答えは「人類」です。

現代では、人間の伐採や農業開発が森林の環境を変えています。

特に選択的伐採によって、森林の下層により多くの光が届くようになり、恐竜時代に似た環境が再び生まれているのです。