シュメール王名表に記された驚異的な統治期間

 メソポタミアは、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域であり、シュメール、アッカド、アッシリアなどの文明が栄えた。中でも、アッカドの都市は「書物の街」として知られ、膨大な文献が残されている。

 特に注目すべきは「シュメール王名表」である。バビロニア、スーサ、アッシリア、ニネヴェの王立図書館などから十数種類のシュメール王名表が発見されており、これらはすべて紀元前2000年代に書かれたと考えられている。その中でも最も保存状態が良いのは「ウェルド=ブランデル・プリズム」と呼ばれる粘土製の四面体であり、紀元前2170年頃にイシン王朝の書記ヌル=ニンスブルによって楔形文字で記されたものである。

歴史の常識を覆す「シュメール王名表」“天から授けられた王権”と数万年に及ぶ統治の謎
(画像=画像は「The Ancient Code」より,『TOCANA』より 引用)

この王名表には、シュメール王たちの系譜が記されており、特に大洪水以前に統治した10人の王は、それぞれ数万年にもわたる驚異的な統治期間を持っていたというのだ。